【プレイレポ】チェルノブイリが舞台の新作サバイバルホラー『Chernobylite』のプレアルファ版をプレイ。STALKERシリーズを思わせる雰囲気に期待が高まる

ゲームレビュー

NARのサーバーをハッキングする

ポータルを使用して回廊を通過し、再び鬱蒼とした森に戻ってきた。
導入部でもそうだったが、本作は環境のグラフィックが素晴らしく、ディティールにもこだわりを感じられる。

Eye of Moscowのスタート地点
寂れた建築物

なんでも実際にチェルノブイリの立ち入り禁止区域に足を運び、数千枚に渡る写真撮影やドローンを使用した周辺のスキャニングを行ったそうだ。

Chernobylite: Making Of 1 – Chernobyl Scanning Introduction
チェルノブイリを取材する様子

画面全体にかかる色収差のエフェクトがきつく少しぼやけた印象こそ受けるが、プレアルファの段階でこれだけマップが作り込まれているなら、製品版で追加される他のロケーションのクオリティにも期待できるだろう。

ミッションには時間制限があるようで、時間をすぎると主人公の存在を的に察知されてしまうらしい。
とりあえず目標に向かって進み始めると早速人影を発見したが実体はなかった。

人影に近づくも霧のように消えてしまう

道中ではレーダーを活用してアイテムを集め、食料や回復アイテム、その他様々なリソースを確保するサバイバル要素もある。
レーダーを使用すると周辺にあるアイテムが一定時間ハイライトされ見つけやすくなる。
というより、ハイライトされないと拾えるアイテムとその他のオブジェクトとの見分けが全くつかないため、レーダーを使わざるをえない。

レーダーで探知されたアイテムはハイライトされる

この周辺のアイテムを一定時間ハイライトするシステムは『Dying Light』のサバイバーセンスを思い起こさせる。

目標ある程度近づいたところで、NARの兵士2人と彼らに取り押さえられそうになっているストーカーと遭遇。
本当は見過ごしても良かったのだが、銃撃戦の感触が知りたかったのでサクッと戦ってみた。

NARに見つかってしまったストーカー

結論としては、現段階では敵の動きが平坦であまり積極的にこちらを撃ってくることはなかったため、戦闘に関する難易度は低めであると言える。
一定以上撃たれるとスタンと演出が入るようだったが、演出中は手を出さないでいてくれるという有情ぶりである。
それに対してこちらは頭に1発でも当てれば即死させられるため、ライフル持ち2人相手にピストル一丁で正面から戦っても特に苦戦することはなかった。

生体認証付きのハイテク装備

戦闘後に敵兵の持っていたライフルを使ってみようと思うも、NARの武器は生体認証による電子ロックが掛かっていた。
生体認証を無効化する装置があれば使用できるとのことなので、完全に使用不可というわけでは無さそうだ。
敵兵からはリボルバーの弾だけ抜き取りその場をあとにした。

目的血に到着し、マーカーに従って建物に入ると不気味な少女の笑い声が響き渡った。
声の発生源を探ると怪しく光る人形が……。

目を怪しく光らせる人形

正直ベタな演出ではあるものの、忘れた頃にやってくるホラー演出とはいいものだ。

そんな怪現象に見舞われつつ部屋に入ると、隅に置かれた無線機を発見。

屋内の作りも非常に細かい

無線を取るとMikhailから新たな指示を言い渡される。
今しがた敵が運んできたラップトップをハッキングし、サーバーにアクセスするためのセキュリティコードを手に入れてほしいらしい。

指示に従い敵のキャンプへと向かうと、目当てのラップトップと周囲を警戒する複数の兵士の姿があった。

周りの障害物や背の高い草を利用して潜入

流石に多勢に無勢という感じだったので、今回は戦闘を避けてステルスに徹してみることに。
基本的に敵の目の前を横切らなければ気づかれることはなく、仮に視界に入ってしまってもしばらくは戦闘状態に移行しないため、アクションが苦手なプレイヤーでも問題なく目標へ到達できそうだ。

お目当てのラップトップに到達してセキュリティコードを手に入れたら、Mikhailのいる建物へと向かうことに。
ところがその建物は既にNARによって包囲されており、うかつに近づけない状態だった。

様子を見ているとMikhailを取り押さえるためNARが建物へ突入を開始。
しかしMikhailはその建物内にあった爆発物を使用してNARを一網打尽にしたのだった。

NARの兵士たちを撃退するも、建物内はひどく汚染されたようだ

この一連のイベントは今回のミッションのクライマックスであるわけだが、如何せん現段階では演出の地味さと雑さが際立っていた。
もちろんこれはプレアルファ版であるため、実際にリリースする段階ではどの程度のクオリティになっているかはわからないが、少し不安を感じる点である。

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この後、Mikhailからは外に置かれていたラップトップからサーバーのデータを消去するよう頼まれるが、恋人の情報を得るために指示を無視する選択をした。

サーバーから得られたメール

メールの内容によると、30年前の事故による記憶障害や幻覚症状、そして失踪といったケースは主人公以外にも多数見られたようだ。
そして幻覚を発症した患者は一様に存在しないはずの女性を探しており、妄想じみた”ミッション”に突き動かされているとか……。
そういった患者は今なおゾーンを徘徊しており、NARのオペレーションを妨害しようとしているため火器の使用を許可するとのこと。

このメールの内容がそのまま真実ならば、主人公もこういった患者の一人ということになる。
果たして恋人は存在するのか、謎は深まるばかりである。

このメールを読んだ段階でミッションは完了。
あとは時間いっぱい散策するなりポータルジェネレーターを使用して隠れ家に帰るなり好きにしていいらしい。

ポータルジェネレーターってどこにあるんだ?と思ったら、どうやら開始時点からずっと持ってた謎の棒がポータルジェネレーターだったらしい。
とんだお手軽空間転移である。

ショートカットキー3番に装備されているのがポータルジェネレーター

直帰するのも何なのでリソースを拾いつつ適当に散歩し、風景を楽しんだり他のストーカーと話をしたりした。

陽気な音楽を掛けているトレーダー
あたりはすっかり自然に覆われている
恋人のTatyanaがいた?!
と思ったらただの赤い布きれだった……
墜落したヘリコプターがあるも汚染がひどくて近寄れない

マップはどこもかしこもよく作られており、チェルノブイリの観光・散歩ゲーとしては素晴らしい出来と言えるだろう。
しかし、今の所マップ上には特に驚異となるような存在がおらず、いるのはわずかばかりのNAR兵のみ。サバイバルホラーと銘打つにはもう少し緊張感がほしいところだ。

適度にぶらついたところで制限時間が迫ってきたので隠れ家に帰還。
自身の部屋で就寝してゾーン生活1日目は終了した。

プレアルファ版は短いながらもゾーンの不気味な雰囲気やマップの作り込み、主人公とその恋人を巡る謎など魅力が感じられる点も多かった。
その一方で驚異の不在や潤沢に得られる弾薬・資源など、サバイバルとしてのバランスはやや悪いと感じた。

本作はSteamにて2019年秋にクローズドアルファを実施し、その後に早期アクセスタイトルとして配信予定だ。
今後の開発状況にも注目していきたい。

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